当事務所のクライアント様は、比較的「常識人」が多い。
いえ、他の会計事務所と比べる限り、そのウェイトはかなり高いです。
今回は、専門サービス業の経営について考えてみましょう。
ここ20年くらいで、確実に世の中がおかしくなっています。
その傾向は、ニュースで報道される事件の質の変化を見ているだけでも理解することができます。
たとえ事件にならなくても、社会から「常識人」が消えていなくなっているように見えるわけです。
この段階で、我々のような士業事務所が扱うべき顧客対象(マーケット)は、既存マーケットの1/10程度だと覚悟をしなければなりません。
私は、開業当初、いっきに顧問先件数を増やしました。
この件数だけを考えると、会計事務所経営の成功事例セミナーを開催しても恥ずかしくない数でした。単に顧客を増やすだけなら、難しいことは一切ありません。
しかし、開業3年目に突入したとき、考えを変えたのです。
大きく舵をきりました。
「人として、基礎ができている顧客だけにしよう!」
今では、その当時の判断が正しかったと思っています。
良質なクライアントのために時間とエネルギーが使えるようになり、人間関係もさらに良質なものへと発展したからです。
別に、特別な人間教育のことを言っているわけではありません。
私だって至らない点はたくさんあります。
しかし、「社会人として最低限の振る舞い方ができる人」という基準だけは忘れてはならないのです。
この世で一番怖い存在ってなんでしょうか。
よ~く考えておかなければなりません。
それは、「常識が通用しない人間」だと考えています。
私は、このことを小学生の低学年の時から意識して生きてきました。
見方を変えると、「失うものがない人」と定義することができます。
これは、本当に怖いのですよ。
常識が通用しないのですから…
これを放置しておくと、やがて「無秩序」という状況を作り上げます。
そして、最終的には社会の崩壊を招くのです。
不況によって、
顧問先が減少していく、顧問報酬が減少していく…
確かにそうなっている事務所も多いと思いますが、
だからと言って、のべつなく集客に走るのはとても恐ろしい選択です。
これに連動するかのように、士業事務所の経営もおかしな方向へ行きはじめています。
士業事務所に限らず、「経営の幼稚化」が進行しています。
構造的不況下での特徴の一つ。
それは、「ヒト」が選べなくなるということなのです。
正確な表現に改めると「人間関係を選べなくなる人達が増えていく」ということです。
ある方から6年前に教わりました。
「姿勢・表情・言葉・行動」
以下は、私の解釈です。
「姿勢」とは背筋をピンと伸ばすということだけではなく、相手に与える印象を考えようとする広義の姿勢です。人と顔をあわせて相手に聞こえるようなトーンで挨拶ができない人は危ないです。常にトラブルを内包しています。丁寧で魅力的な人ほど、深々と頭を下げます。
終始ブスっとした「表情」の人も、性格以外の側面で大きな問題を抱えています。あるとき突然非常識な行動に出る可能性が高い人格の持ち主です。感情が壊れている人たちによく見られます。やはり、笑顔がある人のほうが魅力的で、このような人と一緒にやっていきたいなと思いますよね。
社会人としての「言葉」がつかえない人も危険です。初対面の時からタメ口な人。また、少しでも面白くないことがあるとメールの文章などで取り乱し、小学生のような文章を書いてしまう人。ネットの書き込みでもよく見かけますね。ビジネス文書の書き方スキルのことを言っているのではありません。それ以前の問題なのです。
「行動」は、その人の脳内を具現化した最終形ということができるでしょう。平気で時間に遅れたり、相手の迷惑は考えず常に自分のことだけを考えて行動する。人の忠告は聞かず、自分の都合が悪くなると人のせいにする甘ったれタイプ。自分のことが自覚できないため、もしこれが経営者であるならば、社員から裏切られるのです。
そして、これら4つの習慣を人生レベルで何百万回も繰り返すことによって、その人の人相が出来上がっているようにも感じるのです。
この4つのポイント、実は5歳までの人格教育。
いくら遅くても、中学生くらいまでには正しく身につけていなければなりません。
あぁ、そういえば思い出しました。
経営情報などの勉強ネタを提供してくれているある支社長さんなんですけどね。
経営が苦しくなってしまった会計事務所があるということで、その事務所のクライアントさんに経営計画など付加価値の高いサービスを提供してはどうでしょう、ってその事務所の先生に提案したらしいんです。
でも、そこの事務所の先生曰く、
「うちの顧問先にそんなレベルの会社は一社もないよ」って…
この支社長さんもなかなかやり手なので、
「そんなことないでしょう!」ということで顧問先へ同行したらしいんです。
しかし、支社長さんも、その状況に納得されたようです。
「あれじゃ、経営計画なんてムリ!」
とにかく、どの経営者も挨拶すらまともにできない…
呆れていました。
「あれじゃ、経営なんてできないでしょ」
って私に言いたかったのだと思います。
日本って、なにかおかしくなっていますね…
今回は、決して目を背けてはならない日本の中小企業の実態について書いてみました。
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