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2019年3月16日 (土)

確定申告を終えて、再び継続性評価

確定申告期間中は、クライアントの皆様からの励ましの声もいただきながら、

本年第一弾の繁忙期を何とか乗り切ることができました。

当事務所には、協力的なクライアントの割合が多いことを改めて感じます。

 

実は、このクライアントの存在が重要です。

その理由を今回のテーマにしてみましょう。

 

経営における継続性評価について

私は、子供のころから「継続性」について重視しています。

おそらく、スポーツや音楽などを通じて、子供のころに競争を経験している人は

継続性について深く考えたことがあるのではないでしょうか。

私もその一人です。

「継続こそ力なり!」

本当は、「継続は力なり」ですね。

しかし、継続することで力につながるというよりも、

継続できることは実力の証であると私は考えています。

その継続性について考えてみましょう。

過少に申告しても、

うちの事務所は直近一年間で60件のクライアントが増えました。

しかし、クライアントの増加を事務所の成長だとは考えていません。

時には顧客を減少させることも必要だと、私は考えています。

念のためですが、私は集客営業が嫌いなので、営業行為は一切致しません。

セミナー講師の引き受けにあまり良い顔をしないのも、そのためです。

スタッフには、「私が営業をするようになったら、この事務所は倒産する時だ」

と言っているほどです。

私が事務所経営で最も重視しているのは、事務所の継続性です。

成長性評価ではなく継続性評価。

これは、クライアント指導でも徹底的に申し上げてきたことです。

経営において取引の安定性と取引の安全性は最重要視すべきことなのです。

わかりやすい言葉で言えば、「誰と取引をするか」ということ。

これから取引をする相手がどのような態度で接してくるかをよく観察し、

許容外のものは取り扱わないということが重要なのです。

つまり、その人をよく見極め、適切に対処するということです。

これを「取引の仕分」といいます。

私が考える質の高い仕事をするための条件です。

そして、質の高い仕事は優良な顧客との親和性が高く、

関係性においても極めて継続性が高いのです。

 

現代の経営者たちは、短期目線しかもっていません。

ですから、自社の信頼を犠牲にした経営戦略を採用するケースが増えています。

この経営判断は、

顧客の意向を無視した詐欺的営業行為、

モラルを無視したキャッチフレーズの発信、

最終局面では不正行為にまで発展します。

これらは、人間性無視の経営です。

果たして、このようなモデルが継続するでしょうか。

税理士の仕事は、その業務の特性上、

クライアントの収益状況や資産状況がわかります。

これにクライアントの人間性と社会性を加味して継続性を評価しています。

当事務所では、合計所得金額が2,000万円を超えるクライアントの割合が

昨年よりも更に増えていました。

 

経験が豊富でセンスの良い税理士は、

新規のクライアントが成長するか衰退するか、最初からわかっています。

私も税理士として独立した30代のころから、そのようなセンスはもっていました。

しかし、若かった私は「人は変われる」と信じたかったのです。

ですから、自分の頭の中を修正して面倒を見ていたクライアントもありました。

残念ですが、この考え方は誤っているという結論です。

人はそれぞれ、持って生まれた役目があるということなのです。

人は変化しなければならないという必然性はなく、

その変化を他人が強制することは本来間違っています。

それよりも、原因結果を素直に受け止めることこそ重要だと考えます。

職員(スタッフ)についても同じことが言えます。

迷って悩んで採用したスタッフはだいたい失敗です。

自分の直感は根拠のないものではなく、人生経験から導かれた直感だということです。

ですから、直感採用というのは実に重要なのです。

私の経験ですが、履歴書で1分、面接で5分以上迷った採用はすべて失敗しています。

 

話を戻しましょう。

事業における継続性評価。

事務所の成長は、

クライアントの収益状況の向上

クライアントとの関係性の向上

そして、事務所スタッフの平均的人間性の向上

の3点で評価します。

これが、私の継続性評価です。

利益そのものを目標とするのではなく、

「利益は結果である」ということを忘れてはいけません。

質の低いクライアントしか扱えない事務所は、

継続性は極めて低いと言わざるを得ません。

質の低いクライアントは、事務所の業務をかき回しますから、

業務品質を落とす原因となります。

これを、敵対的クライアントと呼ぶことにしています。

一方で、質の高いクライアントは営業でとってくることはできません。

ですから、税理士が営業するようになったら終わりだと申し上げているわけです。

社会の財布を見ている税理士が、仮に営業やマーケティングに走るとすれば、

それはあまりにもお粗末だというのが私の考えです。

この逆側の世界に位置するのが、営業をしないにもかかわらず行列のできる事務所です。

この理想のブランドモデルが、日本の中にも確実に存在しています。

そこには、確かな力を感じます。

営業しないのに行列が絶えない士業事務所・・・

答えは、「情報」です。

情報とは言っても、インターネットのことではありません。

規模の経済性は、確実に限界を迎える時期がやってきます。

限界を無視した経営判断は、社会のバランスを破壊することにもつながります。

経営の目的は、社会の役に立ちながら収益を上げることです。

ですから、目先の利益で判断する現代経営は、

修正か破壊のどちらかの時期が必ずやってくるわけです。

継続性の評価は、人間基礎教育の問題を内包しています。

ですから、すべての者が簡単に達成できることではありません。

人間基礎教育を無視すると、

社会のコストに発展するという視点を忘れてはなりません。

その問題が現代社会で、正に今起きているのです。

 

最後に余談となりますが、

確定申告明けの本日、

土曜日なので本当は自分の確定申告をゆっくりやりたかったのですが、

仲の良い司法書士の先生からのご紹介案件でしたので、早速対応してきました。

お会いして、私の税理士としてのスタンスをご説明して・・・

5分で契約になりました。

コンビニ経営で何店舗も展開しているオーナーさんになりますが、

優れた税理士ってどうやって見つければよいのでしょうか、というご質問がありました。

どのタイプの税理士が優れているのか、その判断は人それぞれだと思いますが・・・

という前提で、以下のようにお答えしました。

良い税理士に巡り合えることも、一つの経営力です。

ですから、稼ぐ経営者は、優秀な税理士をつけています。

賢い経営者は、税理士との関わり方を身につけています。

税務顧問という意識はあまりもっておらず、

経営意思決定のメンターとして報酬を払っています。

ですから、税理士の資格を持っているだけでは要件を満たさないのです。

一方で、賢い税理士はクライアントを平等には扱いません。

なぜ、優秀な税理士は表に出てこないのでしょうか。

その答えが「情報」なのです。

情報とは言っても、インターネットのことではありません。

クドイようですが(^-^;

 

以上のことを踏まえて、

クライアントから評価される事務所を目指すことが、

継続性へと繋がります。

 

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